大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和25(あ)2492 判決

主 文

原判決中有罪部分を破棄する。

被告人を懲役一〇月に処する。

訴訟費用中第一審において証人A、B、C及びDに支給した分

並びに当審において国選弁護人に支給した分は被告人の負担とする。

本件公訴事実中食糧管理法違反の点について被告人を免訴する。

理 由

弁護人岡弁良の上告趣意は末尾添付の別紙書面記載のとおりである。

論旨第一点について。

証人Cが第一審第二回公判においてなした証言中に論旨摘録のような伝聞証言の

存することは所論のとおりである。

しかし、仮りに右証言が証拠能力なく、従つて第一審判決が証拠となし得ない違

法な証拠を採用したものであるとしても、右証言を除くその余の証拠を綜合すれば

優に判示事実が認定し得るから、第一審判決を維持した原判決は当裁判所の判例に

反した判断をしたことにはならない。(昭和二六年(あ)第四六七七号昭和二七年

三月六日第一小法廷判決参照)論旨指摘の判例は、いずれもいわゆる旧法事件に関

するものであつて本件に適切なものとはいえない。

論旨第二点について。

所論は、単なる訴訟法違反の主張ないし事実誤認の主張の域をでないものである

から適法な上告理由にならない。

しかしながら、職権で調査すると、本件公訴事実中小豆に関する食糧管理法違反

の事実については、昭和二七年政令第一一七号大赦令により大赦があつたので、刑

訴四一一条五号、四一三条但書により原判決中有罪部分を破棄し、当裁判所におい

て更らに自ら判決をすることとし、右公訴事実については同三三七条三号により被

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告人に対し免訴の言渡をする。

なお、原判決の確定したその余の事実(前科の点も含む)は、各刑法二四六条一

項に該当するところ、被告人には前科があるので、同法五六条一項五七条に則りそ

れぞれ累犯の加重をし、以上は同法四五条前段の併合罪であるから、同法一四条の

制限の下に同法四七条一〇条により犯情重いものと認める米五升を騙取した罪の刑

に法定の加重をした刑期範囲内で被告人を懲役一〇月に処し、訴訟費用中第一審に

おいで証人A、B、C及びDに支給した分並びに当審において国選弁護人に支給し

た分は、刑事訴訟法一八一条一項により被告人に負担せしめるべきものとする。

右は裁判官全員一致の意見によるものである。

検察官 大津民蔵出席

昭和二七年九月三〇日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 本 村 善 太 郎

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